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日本人は筋トレしたほうがいい?しないほうがいい?

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こんにちは。トレーニングコーチの瀧本銀次朗です。

先日のラグビーW杯、日本代表の活躍によってフィジカル強化の重要性が話題になりました。

一方で、日本人はトレーニングで体を大きくしすぎないほうがいい。かえって動きが悪くなる等の考えは以前から根付いています。

結局のところ、どちらが正しいのでしょう?

今回はそんな話です。

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理想は「デカくて」「動ける」

フィジカルの強化が必ずしも「体を大きくすること」とは限りません。また、「動ける」というのがスピードのことを指すとも限りませんが(おそらく柔軟性や全身の連動・協調性をイメージする人もいると思います)、筋トレで筋肉をつけすぎるとスピードが落ちるというのは以前からよく言われることなのでそこに注目していきます。

 

理想は、大きくなってスピードやクイックネスも一緒に向上することです。

相手とスピードが一緒であったとしたら、大きいほうが有利です。

同じように、大きさが一緒であれば、スピードが速いほうが有利。

スポーツにはこれ以外にも様々な要素が絡んで勝ち負けが決まります。ただ、様々な要素のうち相手よりも勝るものが多ければ多いほど有利ですし、劣るものがないこと、あったとしてもあまり差がないことが理想です。総合的にこちらが有利であれば、それだけ勝つ可能性は高くなります。

デカくなるにも、スピード強化にも筋トレは必要

大きくなるには「筋トレ」で筋肉を大きくしたほうがいいというのは、ある程度イメージがつくと思います。

一方、「スピード強化」に筋トレが必要、というのはしっくりこないかもしれません。

スピードの向上には、車でいえばエンジンの強化です。おおきなエンジンを搭載すれば、それだけ速いスピードを出すことができます。

これが車でなく人間の体になると、体が軽いほうがいい、速く走るためのテクニックを磨いたほうがいい、という考えが強くなり、エンジン=筋肉はあまり重要視されません。

車で例えれば、「ボディ(体の重さ)はできるだけ削って、ドライビングテクニック(走り方)も磨くけど、エンジン(筋肉)は軽自動車のものでスポーツカーに勝つ」ということをやっているんです。

この場合、エンジンを大きくする作業に力をいれていけば、もっとスピードが向上することは明らかですよね。

エンジンが大きくなって重さは重くなりますが、「スポーツカーは軽自動車よりも重くても速い」という事実が、「重いと遅い」ということが迷信であることを示しています。

エンジン=筋肉の強化には、やはり筋トレです。

 

ちなみに、世界最速の男ウサイン・ボルト選手の身長は196cm、体重は93kgです。

これって、軽いですか?

長所を伸ばし、弱点を克服するための筋トレ

日本人は欧米選手とちがって、骨格が違う、体質が違うという意見もあります。

それは、その通りです。

だからこそ、フィジカル強化、特に筋トレにはもっと注目すべきです。

人種によっては、筋トレをしなくても筋肉隆々になりやすい体質の人種もいるそうです。「必要ない」といえるのは彼らのような人種であって、小柄な私たちは弱点の克服のためにも筋トレはすべきです。

そして、私たち日本人の長所であるスピード・クイックネスのさらなる強化にも、筋トレが役立つのは前述した通りです。

他の競技でラグビー選手のようにデカくなるのは難しいし、必ずしもならなくていい

筋トレをして、実際にラグビー選手のような体になれるのかといったら、それは競技によっては難しいです。

体の大きさの変化には、筋トレや食事だけでなく、競技そのものの練習も大きく影響します。

ラグビー、とくにタックルやスクラムを積極的に行うFWは、練習そのものが筋肉を大きくするような刺激になります。全力で体をぶつけたり、スクラムを組んだまま押し合ったりなど、つねに筋肉におおきな負荷がかかっています。

同じラグビーでも、走り回るのがメインのBKはFWにくらべるとやや細身です。

 

日本でメジャーな野球・サッカーなどは、ラグビーに比べれば体のぶつかり合いや競り合いが練習中に起こることは稀です。練習時間を大きく犠牲にして無理に筋トレをしない限り(そんなことしないと思いますが、、、)、ラグビー選手のような体になることは不可能です。

筋トレももちろんですが、競技の特性も筋肉の成長には影響します。

他競技の日本人選手も、筋トレしないほうがいいなんて誰も言っていない

他競技で、世界で活躍している日本人選手の中にも「筋トレで体を大きくすること」に否定的な意見を述べている選手はいますが、そのなかの誰一人として「筋トレはいらない」「体は大きくしなくていい」といっている選手はいません。メディアを介してそういったように私たちに伝わってしまっていることがとても残念ですが・・・

「大きくする」「筋肉をつける」というのは、あたかもボディビルダーのような肉体になれと言われているように感じてしまうからそうなるのだと思いますが、「限度」や他の練習とのかねあいによる「限界」もあります。それがどのくらい、という具体的なものはありませんが(競技のフィジカルトレーニングについては別のブログで書いていきます)。

 

それに、彼らはじゅうぶんいいカラダをしています。彼らにとってもうこれ以上過度な筋肉は必要ないという判断であり、「日本人が強くなるために筋トレはいらない、大きくなる必要はない」とは言っていません。やるにしても適量、適切な方法、フィジカル強化もいろいろな方法があると言っているんです。

 

ボルトのように日本人選手を例にあげると、

錦織圭選手(テニス) 身長180cm 体重75kg

イチロー選手(野球) 身長180cm 体重77kg

青木宣親選手(野球) 身長175cm 体重81kg

田中将大選手(野球) 身長188cm 体重95kg

 

体重=筋肉量とは限りませんが、皆さん超一流ですから余計なものはないでしょう。

コンタクトスポーツでない野球、テニスでもこれだけのエンジンを搭載しているんですね!

「これ以上大きくなる必要がない」の基準が多くの人が思っている以上に高いということがわかります。

「日本人に筋トレが必要かどうか?」本来そんな議論は必要ない

最後に。

こんなこと書いたら今まで書いた2,000文字は意味ないんですけどねw

まず、日本人というひとくくりで筋トレの是非を議論する意味がありません。

必要な人には必要。

必要ない人には必要ない。

何かを求めていて、そのための手段が筋トレじゃなくてもどうにかなるようなことなら、ムリに筋トレを選ぶ必要もありません。

 

上に書いたような選手たちは、筋トレによってこれ以上筋肉量を増やすことは必要としていないかもしれません。

だからといって、彼らが日本人だから「日本人には必要ない」と言い切れるでしょうか?

 

チームにとって、自分にとって必要か?を考えましょう。

筋トレは手段のひとつでしかありません。

筋トレだけで万事解決できる問題なんてありません。

一方で、筋トレを取り入れることが一番効果的なこともあります。

それは人によって、状況によって違いますから。

 

「筋トレは日本人に必要か?」といわれたら、

ぶっちゃけ「さぁ?」って答えたくなるのが本音。

日本人じゃなくたって、筋トレしたほうがいい時と、しないほうがいい時とがあるんです。

そんな簡単に答えをつくっちゃいかん。

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